本間裕大研究室

東京大学生産技術研究所・工学系研究科建築学専攻

凸空間の列挙に基づく建築空間解析

 建築空間は、壁や柱で単純に分かれているだけではありません。一見ひと続きに見える空間の中にも、人がまとまりとして感じる部分や、落ち着きやすい場所、開かれた場所と閉じた場所の違いがあります。本研究では、このような空間のまとまりを「凸空間」という考え方で捉え、建築空間の形態を定量的に読み解く方法を検討しています。凸空間とは、内部の任意の2点が互いに見通せるような空間であり、人が一つのまとまりとして認識しやすい部分空間だと考えられます。

 本研究では、建築平面の中に成立する凸空間を網羅的に列挙し、その面積や形、空間内での偏り方、部分空間どうしのつながり方などを分析します。これにより、どのような活動に向いた部分空間がどの程度用意されているか、どこがよりパブリックで、どこがよりプライベートな性質を持つか、さらに空間全体の骨格がどのようになっているかを読み解くことができます。また、条件を与えて最適な凸空間を探索することで、建築空間が持つ利用可能性を具体的に検討することも可能になります。

 さらに近年では、この考え方を Convex Space Visualizer として発展させることで、建物内部の分析だけでなく、樹木や地形に囲まれた外部空間や、まだ形が定まりきっていない設計初期段階にも応用できるようになってきました。実際に設計スタジオでは、複雑な敷地条件の中で、どこに人が集まりやすいか、どこに連続した視線や動線を確保できるか、どの層にどの用途を配置するのがよいかを考えるための手がかりとして使われています。本研究は、建築空間を「見るための分析」だけでなく、「つくるための思考」にもつなげようとする試みです。

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