詳細な3D点群データを用いた都市公園の季節変化の分析
都市公園は、季節によって大きく表情を変えます。同じ場所であっても、春の新緑と秋の落葉では、開放感や色彩の印象が異なり、人が受ける空間体験も変化しているはずです。しかし、こうした変化は感覚的には理解しやすい一方で、どのような場所で、どの程度変わるのかを定量的に捉えることは簡単ではありません。本研究では、都市公園の空間体験を「開放性」と「色彩の豊かさ」という観点から捉え、季節による違いを分析しています。
そのために、ウェアラブルLiDARを用いて公園内の3D点群データを取得し、人の目線の高さから見た空間の広がりや、視界に入る色の多様性を評価しました。対象としたのは代々木公園で、春と秋のデータを比較することで、植生の変化が空間の見え方にどのような違いをもたらすのかを調べています。こうした手法によって、平面図や写真だけでは捉えにくい、季節ごとの空間の質を読み解くことが可能になります。
分析の結果、秋は春に比べて開放性がやや高くなる一方で、色彩の豊かさには異なる傾向が見られました。また、高木だけでなく、目線に近い低木が開放感に大きく影響していることも分かってきました。本研究は、季節によって変化する景観や空間体験をデータに基づいて捉え直し、植栽計画や維持管理、公園デザインを考えるための新しい手がかりを与えるものです。

