斜線制限を満たす最大容積の建築物
都会では,写真のような建物をよく見かけます.採光性の確保を目的とした建築基準法(斜線制限)を満たすためです.法を遵守しつつ容積を大きくする方法はないでしょうか.
斜線制限によって,建物は前面道路を起点として延びる斜線よりも下側にしか建てられません.セットバック規定はよく知られている緩和規定で,斜線の起点と建物前面部の双方を後退させるものです.また,直方体ではなく斜線に沿った形の建物を建てることも行われています.数理モデルによる分析結果から,セットバックの考慮や,複雑な建築形状を想定することによって,より多くの容積を獲得できることが判明しました.
近年では,天空率の条件を満たすことによって,斜線制限の緩和も可能となっています.より自由な形状が可能となる一方,高層建築が及ぼす広範囲な影響も懸念されており,それらも勘案した分析を進めています.