他者の視認に基づく建築空間の評価

空間の佇みやすさは,どのように決まるのでしょうか.他者の存在は,居心地の良さに大きく関係していそうです.そのような観点から視線の交わりを考慮した空間評価をおこなっています.

自身と他者,2人の位置関係によってその視認量は決まります.お互いが上手く「避けあう」ことによって,同じ空間を共有しつつも気にならない,という理想的な状態もありそうです.これは空間内に複数人を配置する最適配置問題とも見做せます.上記の模型は,そのようなパーソナルスペースを解説したもので,最新の数理最適化技術を用いることによって,不快になることなく,同時に滞在できる最大人数とその配置も計算できます.

このように理想的な状態における人々の位置とその総数に着目し,空間の佇みやすさを評価することも可能となりつつあり,美術館設計などへの応用可能性があります.