現代ピアノ教育過程の数理分析


本研究では,学生ピアノコンペティションの時系列採点データを活用し,戦後日本社会におけるピアノ教育過程を数理的に追及しています. 具体的には,“1992~2015 年度のピティナ全参加者の属性・選曲・採点結果” という延べ56 万件規模のデータベースを解析し,ピアノ技術の伝承過程とそこから導かれる社会的距離, さらにはピアノ学習者の演奏技術習得過程に,焦点を当てます.本研究で着目するのは,(i) ピアノ教育における師弟関係と,(ii) 楽曲の習得過程,の2つに関する“ネットワーク” と“距離” です. 時間・空間・難易度という3 軸上で展開されるピアノ教育“過程”を定量的に解析することによって,ピアノ教育者が感覚的に認識していた仮説の可視化のみならず, その数学的帰結から導かれる新たなる文理融合的な知見の創出が期待できます.

→詳しくは (研究成果報告書)
→詳しくは (ヤマハ音楽振興会インタビュー記事)